机上亭-エセ日乗

エセ日乗 2004/4月

エセ日乗2004/4/1

炒飯チャーハン。落書きのなかでもこれだけ意味のないものも少ないと思う。本当に無意味である。この写真は散歩先の荒川で撮った。ちなみに端に写っているオッサンはバナナを食べている。食べ終わると皮を投げ捨てていた。やめてほしい。

猫コジキに飼われている猫君。よく見ると家の中にもいる。これがなかなか人馴れた猫君で、僕が近寄ってもまったく動じない。ここぞとばかりに連写する僕。突然家から出てくるコジキ。近寄りすぎた。あ、は、すみません、は、というかんじで退散する。僕は猫が好きなのであって、決してコジキは好いていない。コジキに飼われている猫をかわいいと思うことはあっても、猫を飼っているコジキがいとおしくなることはない。なくてよかったと思う。

海の猫荒川から中川へうつり、そのまま葛西臨海公園まで行ってしまう。僕はそこで海辺の猫君と出会うこととなる。この猫君はこの岩の隙間を寝床にしているらしい。結構警戒心が強く、近寄るとすぐに岩の間にかくれてしまう。近所のオッサンがそこらへんでとってきた貝をカチ割ってあげている。猫君はしばらく疑わしげな目で様子を見ているが、サッと貝を咥えるとねぐらに運んで食べる。なるほど。僕も猫君にご馳走しようと、オッサンにならって貝を採るために岩場をおりる。すると苔の生えた岩で思いっきりずっこけて海に落ちそうになる。僕は重心の操作で陸側に倒れると、血相を変えて岩場をかけのぼる。危険すぎる。食物で猫君の気をひけないとなると、もう気長に猫君が警戒心を解くのを待つしかない。僕は腰掛けると、悪意ある人間ではないこと、猫を傷つけるつもりのないことを知らせるために、優しげな微笑を浮かべる。すると僕の善意が伝わるところもあるのか、遂に逃げずに被写体になってくれた。感動の瞬間。

僕は帰るために駅に向かう。葛西臨海公園には無数の野良猫がいることに気がつく。そこらじゅうでゴロゴロしている。きっと車のないせいだと思う。なかなかの穴場である。また来よう。

エセ日乗2004/4/3

猫の手掛かり僕はふたたび先日の猫君に会うために、葛西臨海公園へ行った。今度は自転車に乗った。あー楽。前回猫君に会ったところに来てみると、それらしき貝殻が散乱している。しかし猫君の姿はない。もしかして、前はたまたまここにいただけで、別に寝床と決めているのではないのかも知れない。そんな疑惑が浮かんでくるが、落ち着いて待つこと数分――

猫君登場! 間違いなく先日のと同一猫である。相変わらず警戒心が強く、僕が近寄ると逃げてしまう。どうやら僕のことなど記憶にない様子。所詮畜生。

餌しかし今回は畜生君が泣いてよろこぶ、ししゃものあぶり焼きを用意してあるのだ。これで畜生の悲しいサガで、餌をくれる人間には喉を鳴らして媚びへつらうはずである。早速ししゃもの切れ端を手に乗せて近付けてみる。しかし猫君は……、警戒心を解くことなく僕を睨むだけである。僕が猫君の口元に餌を近寄せて、ほら、これをお食べなさいを誘ってみると……、なんと引っ掻いた! 手からこぼれ落ちるししゃも。すかさずガッツク猫野郎。しかしこいつ、割とドン臭いとみえて、僕の指先の薄皮を0.5ミリ切り裂いただけだった。やれやれ。

睨む猫君仕方がないので、僕はししゃもの切れ端を投げてあげることにした。ぼんやりと海を眺めながら、2時間ばかりかけて少しずつ食べさせる。猫君はだんだん調子に乗ってきて、おらおら、食物持ってんだったらさっさとよこせよな、このバカ、という感じになってくる。写真を見てみても、なるほど、あまり善良そうな目付きをしていない。餌を全部あげてしまうと、もう用済みだよ、糞め、というかんじで離れていく。僕は自転車に乗り、大いなる疑念と、少しの満足を覚えつつペダルを漕いだ。

エセ日乗2004/4/4

しかしこんな風にお出掛け&写真ネタに頼っていると、一日中家に篭っていた日には何を書けばいいのかよく分からなくなる。

写真を使うとなんとなく内容があるように見えるし、なんとなく間も持つ。しかも被写体がニャンコだったりすると、まあ、いいか、ニャンコなんだし、というかんじで態度が軟化してしまう。猫に文句言っても始まらねぇし、ほれほれ、と動物好きは思わずネコジャラシを登場させてしまう。ネコパンチを食らって恍惚とし、あの恐るべき舌先で舐められて終わってしまう。

と、こういうかんじで書くことがないと下ネタに走ってしまう。僕のところにも「鶴の恩返し」的に猫の妖怪変化がくればいいと思う。

エセ日乗2004/4/11

春休みが終わったり新学年が始まったりしていたらなんとなく更新するタイミングを失してしまった。まず3日休むともう駄目。3日と4日じゃそんなに変わらないよな、じゃあもう1日サボってもいいじゃねえか、ヒッヒ! と怠けてしまう。

しかし春という季節は本当に疲れますね。いままで適用していた単純反復運動が通用しなくなる現実。忌々しい。すんでのところで旧教室に突入しそうになったではないか。何食わぬ顔で、踵を軸にUターン。U。クラスの面子は変わらない。授業担任の先生は変わる。僕は大学受験を考えなければならない。自然は無神経で非人情だから、そういう僕の気持ちも分からないで葉っぱを出してくる。挙句には着々と梅雨と夏が近づきつつある――と生活のリズムが上手く取り戻せないと、地球の自転と公転にまでケチをつけ始めることになる。気をつけたほうがいい。